ξ
年が明けて景気のよいニュースが並んでいました。
日経平均株価 終値 648円高の2万8139円 約30年5か月ぶりの高値 | 株価・為替 | NHKニュース
ニューヨーク株式市場 ダウ平均株価最高値更新 | 株価・為替 | NHKニュース
ビットコイン、初の3万ドル台 2020年は300%超上昇 | Reuters
株価上昇は先進諸国の猛烈な量的緩和策の継続で予想がついていたし、ビットコインですら機関投資家や富裕層がポートフォリオにまともに入れ始めています。
これは実体経済が冴えないなか、だぶついた資金の投資先の先細りを反映していると思われます。
富裕層が新たな投資を始めれば、次第に小投資家も追随するようになるはずです。
金持ちがビットコインのファンに、前回急騰時と様変わり-認知得たか - Bloomberg
安倍前首相の経済政策の柱「3本の矢」の実態はひたすらな量的緩和でしたが、在任期間2012.12.26~2020.9.16(約8年)の株価と金(ゴールド)の価格推移を見てみます。(ビットコインは変動が激しいので除く。)
在任期間内の2012.12末と2020.8末を比較します。
日経平均 10,395円 ➡ 23,139円(2.22倍、利回り11.0%/年)
ゴールド(現物小売) 4,826円 ➡ 7,390円(1.53倍、利回り5.7%/年)*1
普通であれ定期であれ預金利率がほとんど0であることを思えば、非常に大きな利回りです。
タラレバの話ですが、コガネ持ちが8年前に日経インデックス型投信でも1,000万円購入していれば、何もしないままで2倍以上に、その間の資産は1,000万円以上増えたことになります。
ペーパー資産は嫌だからといって、ゴールド現物を1,000万円購入していれば、1.5倍の1,500万円に、500万円程度資産増になったことになります。
この間、実体経済はパッとしなかったのですから、多くの人々にとって給料・報酬は減ることはあってもろくに増えることなく推移したでしょう。
したがって上記の株価などの上昇は家計にとってほとんど唯一の「ディープインパクト」になりました。
ξ
長期の安倍政権の安保法制だの何だのが気に食わない人々がいるとしても、金融資産が増えた(=日本の富裕層が著しく増えた*2)コガネ持ちにとって、不満に思うべき不都合は特になかったことになるでしょう。
話題になった老後2,000~5,000万円問題は、誰に頼ることもできないとすれば自分で解決しようとするのは当たり前です。
超富裕層、富裕層に投資資金は潤沢にあったのですから、デイトレードまがいの振舞いを何らせずとも、ますます非富裕層との資産格差は拡大したことになります。
さらに同じ中間層でも投資資金を持つ層と預貯金の無い層との格差も拡大したでしょう。
解決策は資産バブルをもたらす量的緩和ではなく労働者の実質所得の大幅増しかありません。
しかし資本家(大企業経営者)層に密着した保守政権は、手っ取り早い低賃金外国人労働者の入国政策を推進していますから日本人労働者の大幅賃金増は期待できません。
つまり、(アメリカを追うように、アメリカ同様に)今後とも富裕層は増え、落ちる者は落ち格差は拡大するでしょう。
ξ
なぜこんな記事になったかといえば、年が明ければ確定申告だし、1年間のキャッシュフローもどきの計算をしてみたからです。
すでに低収入、預金を取り崩しているので現預金はマイナスです。コロナ騒ぎ下の現金給付、夫婦20万円を加算してもマイナスです。
我が家にとっては、さらなる大幅な!現金給付が無ければ現預金減が続くことになります。
しかし預金を除く金融商品の「含み益」(配当を含む)はプラスで推移しています。
預金できる環境にはいませんが時価評価してみれば金融資産はトントンというところです。
ξ
計算してみて、あらためて思ったのは
- 超富裕層、富裕層は、はるかに大規模に預金・株式・運用不動産等を保有しビクともしない資産構造にいるだろうということ
- 中間層であれ株式くらい上昇してくれないと踏んだり蹴ったりなわけだから、(株価政権と言われた)長期の安倍政権を暗黙に支持してきたとしてもそのことを批判するわけにもいかないこと
- 世の親は、自分の子供が将来経済的に不幸にならないようスクールカーストの上位1割を目指して、最悪でも最底辺の3割にはならないよう必死に子供の尻を叩いているわけだが、そのことをとやかく言うこともできないこと*3
- 少子化対策は、望めば誰でも結婚が可能な境遇にするため配偶者のどちらか一方の収入だけで家庭を持て、子どもには十分な教育を与えることができ、ローンの世話になっても自宅を取得できる程度の水準にしなければならないこと
- 夫婦二人で働いても預金も満足にできない限界的な生活はナンセンス、そうなれば家庭の形成などしない方がずっとマシ、こうして分厚い中間層の維持もその個人消費の水準(内需のカナメ)も大きく損なわれていき、社会はただ不安定化し治安維持も難しくなれば、現在のアメリカのように「法と秩序」問題が先鋭化し支配層・被支配層の対立が大きく表面化するだろうこと