続 ・ たかがリウマチ、じたばたしない。

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台湾有事、「戦争ゲーム」では中国の侵攻に対抗可能だ !

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別に安心とはならないものの、台湾に中国が戦争を仕掛けても、台湾、アメリカ、日本は十分対抗できるとの報告を読みました。

 

(2022.8.10)米台、戦争ゲームでは中国の侵攻に対抗可能 - WSJ

 

大変興味深く、真剣に読みました。マル写しはできませんが、その「戦争ゲーム」(シミュレーション)の概略は次のようです。

 

【実施主体】

ワシントンのシンクタンク戦略国際問題研究所CSIS

 

【前提条件】

1.シナリオの前提 

中国が台湾への攻撃を開始したので、アメリカが台湾支援に向かう。このシナリオには核兵器使用は盛り込んでいない。

なおアメリカ軍は、欧州での危機に長く気を取られ、太平洋地域での兵力増派が遅れていた。

 

2.侵攻時期 

2026年(中国にとって台湾は国内の「反乱地域」であり制圧が不可欠、そのため軍事行使を排除しない。)

 

3.軍事能力  双方現行水準

 

【ゲームの方法】  

1.侵攻後3週間の戦闘シミュレーション。

2.アメリカ側と中国側は、それぞれの軍備・兵力を用い順番に戦闘をすすめる。

3.すべての項目についてコンピューターにより支援される。ランダム(不確実性)要素は20面体のサイコロによる。

 

【戦況】

1.中国側

● 台湾侵攻後3週間で、弾道ミサイルによりアメリカ空母2隻ほか艦船撃沈、日本とグアムの米軍基地を攻撃し、数百機の戦闘機撃破。

● 中国軍は、台湾東岸の海上艦船により哨戒線を張り、島内のインフラ設備を爆撃する。

● 中国軍は、2万2千人の兵士を南海岸に上陸させ、徐々に北方へ進軍させ、港湾や空港の占領を目指す。

● 中国軍は台湾上陸後、南部1/3を占領。

● しかしアメリカと日本の攻撃により揚陸艦隊は打撃を被る。台北は台湾による統治を継続。

● 中国は、アメリカの航空・海上戦力に対抗できる長距離弾道ミサイルが不足していた。

 

2.アメリカと日本側

● 艦船、航空機、兵員の甚大な損失があるものの戦争が長引くにつれ、アメリカと日本に有利な方向に戦況は変化する。

アメリカ軍は中国各地の港湾を爆撃、中国艦船の哨戒線を壊滅させる。これにより中国軍の兵士、物資を台湾に運び込む揚陸艦を無化する。

● こうした中国の困難に対し、ゲームの中国側プレーヤーは、台湾の指導者の斬首作戦が必要かもしれないと考え至る。

 

【総括】

● 約160㎞の台湾海峡を渡って陸海空から侵攻を始めることは中国にとって相当困難。

● 侵攻時点(2026年頃)で、中国が水陸両用で侵攻に着手できる能力を持っている可能性は低い。

● したがってペロシ訪台時に中国が行った大規模実弾演習のように、台湾を海上封鎖して締め付ける戦略も予見できる。

 

注記❶ これは、ペロシ訪台時、マスメディアでも話題になった。海上封鎖による軍艦・商業船舶の台湾入出港阻止。これは中国の意に反して台湾と交易する諸国に対する「踏み絵」(妨害)ともなる。1962年のキューバ危機アメリカによる海上封鎖の「逆バージョン」のようだ。当然、海上では、台湾、アメリカ、日本による中国との睨み合いに発展するだろう。)

 

注記❷ 習近平が、台湾周辺海域へのミサイル発射の模様を生中継したのは、国内向けに自らの力を誇示する必要があったから、と報道されている。)

 

アメリカと台湾は、中国からうまく防衛はできるだろう。しかし代償は大きく、台湾経済は壊滅状態になる。またアメリカ軍は回復するのに何年もかかり世界的な軍事力に影響するだろう。

 

 

以上ですが、繰り返されるシミュレーションによっては、もっと悲観的なシナリオも出てくるでしょう。

中国の最近の台湾問題に関する白書(2022.8)では、仮に台湾が「一国二制度」を受入れた場合でも、中国軍の台湾駐留を除外しないよう改訂されたそうです。

自称・専門家のなかには、中国は台湾に侵攻することはありえない、と言う人もいますが、ウクライナ戦争ですら、ほとんどが、コゼリアイではなくロシアの全面侵攻となるとは予測できませんでした。

台湾有事は起こらないことがもちろんベストですが、起こらないと断言するのはただの錯誤と考えています。*1