ξ
来年の正月は、ワタシの兄弟やその子供らが集まるのをやめることにした。
誰かが風邪や旅行で不都合な年以外では初めて中止になる。
すでに親は喪っているが、それでも年末から正月くらいは一部の兄弟が集まるようになっていた。
東京で200人/日くらいの新型コロナウイルス陽性が出ている現状では無理して集まりガヤガヤ飲食する必要もないということだ。
現在、互いに遠隔地に住んでいるわけでもないから、いつでも会おうと思えば会えるのだが、電話やメールのやりとりは別にしてふだん会うことはまずない。
お互い無事に生きているのなら次に会うのは、再来年の正月かもしれない。
日常、都心への電車利用は避けられないが、飲み会はまったくしていない。そういう雰囲気が無い。いいか悪いか組織の経費節減にも一役買っている。
家族では、テーブルの離れたファミレスや回転寿司に時々行っている。
オンライン飲み会(Zoom会議と称して)を有志で定期的にやっており、慣れたら特に不満はない。
そのせいか新型コロナ感染症には全く無縁に暮らしている。
GO TO何とかで、あわてて旅行することもない。
様子見である。
新型コロナ感染症は防ごうと注意深くしていれば大方防げるだろう、そして治療薬もワクチンも身近になった、とワタシたち庶民が確信できそうな時期が来れば、社会は普通に回り始める。
日本でも一部、妙に眼が宙を泳いでいるような人々が、マスクしない運動、をやりかねない空気もあるが
中東、アフリカ諸国のように、手洗い、ウガイ、マスク供給のインフラがもともと望めない、あるいは破壊されてしまった国じゃあるまいし
(そのような国々では、マスクしない運動など最初から成立しないのだが)
日本のような手洗いもウガイもマスク供給も十分可能な衛生インフラが整備された先進国で、マスクをする、しないなど騒ぐ方がおかしい。
世界の医療規準では、手洗いもマスクもしたほうがずっとマシなのである。
日本の衛生・医療環境を存分に享受しながら、何、くだらないことを言っているのかと思う。
《10/6追記》
ジョンズ・ホプキンス大学健康安全センターのアメシュ・アダルジャ上席研究員は、「トランプ大統領とホワイトハウスは新型コロナウイルスの危険性を過小評価し続け、真剣に対処する人をばかにしつづけてきた。トランプ大統領のツイッターのメッセージは感染対策への信頼を失わせるものだ」と強く批判している。
トランプ大統領が退院へ 医師団「退院できる水準にまで回復」 | アメリカ大統領選 | NHKニュース(2020年10月6日 5時09分)
こういうごく常識的な批判も、恐怖をばらまく政治的な陰謀に見えてしまう人々がいるようだ。
新型コロナウイルスに対抗するためとして、不安産業が、ここぞとばかり効果不明な健康食品、健康法を喧伝しているが、京都大の山中伸弥氏は、免疫力を上げることに神経質になるのではなく免疫力を下げないことが肝心とごく常識的な発言をしている。
それは、栄養失調、睡眠不足、過労などを防ぎ、よく動き回って規則正しく生活することで特に不足はないはずなのだ。
ξ
9/29のトランプとバイデンの討論会を、(録画だが)まともに観た。
司会者も制御しきれないトランプによる誹謗中傷まがいの挑発にバイデンがよく持ちこたえたなぁ、という印象を持った。
それは見慣れた政治議論からはかけ離れていて、見るに堪えないといったものだったかもしれないが
世界の頂点に立つアメリカの政治の表面は、こういう言い争い(=敵の話は決して聞かない)で動くものなのかと思いながら観ていた。
もっとも、政治的な意見相違はディベイトにより聴衆に判断を求めるアメリカ民主主義の伝統を破壊するものだったとして知的な人々(やマスメディア)には著しく評判が悪かったのは後で知った。
トランプの発言は、早口で脈絡もはっきりしないので分かりづらかったが、確かカリフォルニアの大規模森林火災や温暖化に関連する討論のとき
電気自動車も結構だが、コンピューターだの余計なものを付けているから車が高くなる、そんなもの取っ払って車を安くすべきだ、というような主旨の発言があったと記憶している。
おっ、いいこと言うじゃねーか、と思った。
知的なアメリカ紳士であろうとするバイデンにはパリ協定復帰や環境に優しい自動車の普及は頭に浮かんでもトランプのようには言えないだろうなぁ、と思った。
こんなところが両候補の支持、不支持の分かれ目になるのかもしれないと思った。
ξ
トランプは、ひたすら不規則発言でバイデンを挑発し、バイデンを逆上させ立ち往生させることが作戦だったようにも思えたが、これでわかってしまったので、2回目、3回目(10/15、10/22)の時にバイデン側が無対策ということはあり得ないだろう。
終了近く、バイデンは、国民に投票に行こうとカメラに向かって呼びかける余裕をみせた。
そして終了後、二人を労うように、トランプ夫人、バイデン夫人が壇上に登場したが、トランプ夫人がノーマスク、バイデン夫人が黒っぽいマスクをし、それぞれの候補のもとに向かった様子が非常に印象的だった。
あぁ、まだ討論の応酬は続いていたんだね、と思った。
ξ
その直後10/2に、驚いたことにマスクを嫌い続けたトランプとその夫人が新型コロナウイルス陽性であることが報道された。
それが両候補の今後の選挙活動ばかりか金融、経済界に至るまで今後のシナリオの見直しを迫られるような騒ぎになっている。
これでトランプ↓、バイデン↑となるのかどうかワタシにはわからない。
ワタシがアメリカの現在の動きに関心を持っているのは、何かあれば常に日米同盟を口にし、その恭順を表明してきた相手方・宗主国の大統領選が重要だと思っているからではなく
その乱暴な政治手法(日本の政権は明らかに似てきている)も社会構成も企業統治も、それらに対する意見表明や賛成・反対の引きつった行動パターンも
ばらばらと崩壊していく人とのつながりも固定化する階層格差の姿も、その絶望も希望も、その空気も、アメリカは日本に先行する未来の「モデル」としか思いようがないからである。*1