これは
の続きです。
ξ
5月17日、日経平均が3万円台を回復した。いい話である。
瞬間風速では2年ぶりだが長期的には1990年以来33年ぶりになる。1990年のころは、急激に株価が「落下」していくなかのヒトコマだった。
陰謀論者は、世界を資源国家群と金融国家群に二分して、なにか経済覇権のようなものが欧米から非欧米諸国に移行していくかのごとく騒ぐがお笑い草だ。
彼らはアメリカ、中国のような超大国間の資本的経済的依存関係の密接さを無視するか、わからないかどちらかである。*1
(テスラやアップルの生産拠点がどこか知るだけでも想像がつく。)
本当は、超大国が深刻に対立するようなことはなく、超大国が最後に政治的に切り捨てるだろうと思えるのは、(台湾を含む)発展途上国のはずである。
石油、金(ゴールド)ほか鉱物資源や食糧資源を押さえようとしていると報道される中国、ロシアらを「実物資産国家」群と見立て、対極に「架空資産国家」(実物の裏付けのない金融国家)群を見立て対立しているかのように仮想し
まるで日本を含む欧米諸国が崩壊するかのように喧伝しても、その膨大な購買力を無視して「実物資産国家」群など成り立たない。
日本のような資本主義国に居て、その「自由」を満喫しながら、テンツバというほかない振舞いをするくらいなら、嫌韓嫌中論者の言い草じゃないが、習近平やプーチンの待つ中国やロシアに「移住」したらどうか。
簡単に金(ゴールド)高、資源高はドル不信の反映などと言うべきではない。
日欧米は、金融資本主義の崩壊(ドルや株の暴落)など招くことの無いよう協同して金融緩和の調整(操作)をし続けるだろう。
この結果、株高、不動産高、金(ゴールド)高、資源高も続くだろう。
(日本株、日本株と言い続けるウォーレン・バフェットの投資は、いまや米国株以外では日本株の比率がトップに立つ。)
めでたく鉱物資源、食糧資源は資源国から購買力のある日欧米に届く。
陰謀論者がいかに資本主義大国を呪詛しても、中国やロシアが勝手に栄えることはない。
ξ
ワタシは東京郊外新興住宅地に住んでいるが、一貫して不動産価格が上昇している。
住宅を購入して十年近くになるが、都心に居たときと異なる不思議な住宅風景に出会っている。
土地成金(土地持ち(非)農家)が多いが、その豪邸のとなりにワンルーム賃貸アパートが建っている。
そのアパートのほとんどには、大家にとって得体のしれない2年更新の単身者が出入りしてるわけだ。
アパートによっては「入居者募集中」の旗が、年がら年中、掲げられている。
大家に安全上の不安はないのだろうか。
相続税対策の資産管理(地主のまま)だから、一切を売っぱらって閑静な高級住宅地に引っ越すような選択はないのかもしれない。
これは農家代々の土地への執着のようなものか。
このような広い邸宅と安アパートの隣接という住宅風景が大いに目立つ地域にワタシは住んでいる。
ξ
ワタシの周辺では、新築で購入した住宅を売却する若い人も少なからず出てきた。
調べてみると、これら中古住宅は、新築時より少なくとも25%は高く売れているようである。
10年位経つと家屋がどのくらい減価するかは国税庁のHPなどから概算できるが、昨今、それで売却価格が下がったりしない。
家屋の売却査定価格は
再調達価格×現在価格率(減価後)で計算されるが
現在、再調達価格が高騰しているので現在価格の影響があっても下がらない。
もっと重要な土地の売却査定価格は
公的価格に時点補正、地域補正を加え計算されるが、直近の高騰している近隣売却事例が売却価格に大きく影響する。
ワタシの近所で、当時4000万円で購入したとすれば10年も住んだのに売却して5000万円以上(1.25倍)手にしたことになる。
もし運用兼ねていたのならまずまずではないか。*2
ただし、実家に帰るとか遠隔地に行くとかであればよいが
同規模では、新築7000〜8000万円はするので単なる住み替えは楽ではないだろう。
統計を当たってはいないが人々の資産は、不動産価格の継続的上昇を受けて増加しているだろう。
手持ちの金融資産が増えたかどうかは別にして、不動産による資産増は、(固・都税が増えたとしても)間違いなく心理的な「ゆとり」をもたらしている。
わが家ふうに言えば、いざとなれば売っぱらって安アパートに住めばよいくらいの計算と覚悟はできる。
ξ
不動産や物価の高騰にアップアップしている日本人が多い一方、富裕中国人(や富裕韓国人)にとって日本は、「逃げ場」として天国らしい。
都心や湾岸再開発エリアのタワマンの購入者として、ワイド・ショー仕立てのバカげたニュース番組には「絵になる」のか日本人パワーカップルばかりが登場するが、実際には富裕中国人がどんどん買っている。不動産専門ニュースにはそういう記事が載っている。
富裕中国人にとっては(当たり前だろうが)習近平独裁の不自由な中国が暮らしづらくて仕方がない。
WSJから引用すれば次のとおり。
Ⅰ.
(2023.1.2)中国の富裕層、日本に「安住の地」見いだす - WSJ
Ⅱ.
(2023.2.28)中国富裕層、経済再開でシンガポール移住の勢い増す - WSJ
記事に依れば、日本は、アメリカやシンガポールに比べ遥かに少額な費用で簡単に「永住」できるらしい。
だから近い日本は、「逃げ場」として最適なのだ。
これから富裕中国人(や富裕韓国人)はどんどん増えるだろう。
ξ
東京郊外のマンションラッシュゾーンでも中国人(や韓国人)が増えている。
中国人(外国人)がどういう手続きで長期滞在、永住が可能になるのか調べてはいないが、子どもは普通の小学校に通わせている。
だから子どもは日本語で上手に喋っている。
しかし中国人の親同士は、中国語で喋っている。
いずれ子どもは、親よりはるかに日本に馴染んでしまうだろう。
そして、郊外といえど中国人らは裕福だから、日本人の黄色いナンバーの横を、新型クラウンのような、いかにも皮下脂肪の厚い大型セダンで傍若無人に過ぎていく。
ああ、この地域の富裕層も、ついに土地成金から富裕中国人らに変わっていくのだな、と思うようになった。
前掲記事によれば、富裕中国人の日本での仕事は、日本に住みたい中国人への不動産の斡旋・仲介だというし
すでに都心や大観光地だけでなく、郊外でも土地や中古ビルを買い集めているのは外国資本、日本人の売り手としては、あの「会社」だけがこんなに高く土地・ビル・戸建を買ってくれた!となれば、そのバックにどんな外国人が居ようが現状どうにもできない。
日本の物価や不動産の価格など屁でもない彼らは、経済力を背景にやがて政治的な支配層中枢に上っていくのではないか。
想像すれば、底辺の素行の悪い低賃金外国人労働者などたいして危険なわけではなく、日本の国土も資源も都市も日本人も外国資本に所有されニッチもサッチも行かなくなっている近未来の方がはるかに危険にみえる。